遣喚庭


  •  京都で嘉永年間より続く、「植彌加藤造園」に作庭をお願いしました。
  •  この庭園では浄土真宗の宗祖・親鸞聖人にも影響を与えた唐の善導大師が『観経疏』の中で説いた「二河白道」(にがびゃくどう)の思想に基づき、その世界観を枯山水庭園にて表現いたしました。また、庭名は「釈迦の発遣と弥陀の召喚」から『遣喚庭』と命名しました。
     彼岸に渡る六つの方法「六波羅蜜」(布・戒・忍・精・禅・智)を庭石や石材に見立て、怒り、憎しみ、貪りを水火の二河、浄土往生を願う信心を白道に譬えられた風景を広間から眺められようになっています。庭石には京都の加茂七石で貴船石・雲ヶ畑石・鞍馬石・紅加茂石・真黒石・糸掛石を用い、新たに植樹したモミジが紅葉する秋には緑と赤のコントラストがご覧いただけます。
     また伽藍石と結界を精神上の境界線として、庭園東側の茶室「西向庵」の外露地・内露地を演出。それぞれの空間を感じ取っていただくための回遊式庭園となっております。
  •